物語
書く予定もなかったけれど、ずっと続くまるで銃で撃たれたかのような体の激痛で、痛みと同時に嘔吐に襲われ、症状は日に日に良くない。
食べ物どころかすぐ手に届く目の前に置かれた水にも手が届かず、紹介状を書いてもらい予定していた病院に行く前に、緊急入院になり、39度弱の高熱を何度も出しながら、毎日歩くこともままならず車椅子生活をしていた。
その痛みに支配されていた脳みそが、徐々にではあるが知能を取り戻しつつあるので少しだけ綴ることにした。
体が支配されていると、本当になにもできない。本を読むことも困難で、読解ができず、短いチャットで精一杯。長文だと文章の理解が追いつかない。
点滴の交換のときに必要な、血を固めないための、ヘパリンの注射の総合量がすごい。
一日の半分は点滴。最初の頃の痛み止めの投与は、信じられないほどまったく効果がなかった。(点滴の内容を変更してそれは劇的に解消された)
点滴はなんだかんだ身動きが制限される。4日に一度、交換される針。様々な検査を含め無数の両腕の針の跡は、点が線になり血管を示す道となり、それは時間の経過を物語っている。
そして…この固定しているテープ…痒くなってくる。掻けないジレンマ。
一日どれだけの回数チェックされているかわからないほど何度も何度も計測される、体温・血圧・血中酸素量。事あるごとに来てくれる看護師さん。(本当にありがとう)
家族以外の面会はできず、家族でさえ、面会時間は15分。会える時間は限られている。
そんな今日最後の点滴を行いながら、一日の終わりを感じる今日この頃。
ちなみにこの病院は暖かくて温かい。病院食も信じられないほどに繊細で気が利いていて、驚くほどに美味しい。かなり管理されていて一日のスケジュールは色々とあるものの、基本的にはゆっくりと一人で病室で過ごしている。
点滴、あと半分かな。